Alcatraz Library ~戦慄の暗黒読書ブログ~
2010-09-13T14:12:25+09:00
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Alcatraz Library -戦慄の暗黒読書ブログ-
Excite Blog
漫画千夜一夜物語 三夜目
http://alcatraz.exblog.jp/5662342/
2007-06-19T21:57:00+09:00
2007-06-22T19:40:51+09:00
2007-06-19T21:57:22+09:00
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企画
水木しげる 「悪魔くん 貸本版」
90年代、悪魔と名づけられた男児に、日本中が揺れた
それらは教育や道徳、福祉といった社会では重要とされているものによって議論されたが、
私にとってそんなものの議論などてんで無意味で馬鹿げたものにしか見えず、
それよりも心から"悪魔くん"の誕生に大笑いしたのであった
「悪魔くん」、水木しげるさんの代表作にして、
その神秘的な物語と、登場する個性的な怪物たちの存在によって、
不気味な影と戦う勇気ある少年とそれに使える狡猾な悪魔は日本人に愛され、
マンガに、ドラマに、果てはアニメにと、心の中で育てられてきた
しかし、物語が年月を経て変わっていくように、
もとをただせば悪魔くんも、
地の底から光の元に這い上がってきた一片の不人気な怪奇マンガだったのだ
水木しげるさんも自伝に書いているが、本来なら5巻で完結するはずのこの物語は、
3巻だけで、その物語の幕を閉じている、理由は不人気
ではなぜ不人気なのか、理由は物語全てから我々が感じる負の感情と、
そして言い知れぬ闇にあるだろう、それは、マンガの墨塗りの濃さから感じるものでは
必ずしも無い
初期悪魔くんというのは、設定自体も狂気的なオカルティシズムに満ちていて
そもそも父が金持ち、その息子は一万年に一度生まれるかどうかの大天才、
かつ千年王国という地上の楽園を建設する救世主という輝かしいばかりの設定なのであるが、
救世主たる少年は、巨大ロボットにも乗らず、世界を救うべく美少女達と力を合わせて戦ったりもしない
ただただ朝から晩まで古代のカバラを研究したり、それこそ悪魔の召喚方法を実践したりする
いうなれば、かなりベクトルの偏った救世主なわけである
最近の悪魔くんというのは悪魔と契約を結んだ頭の良い男の子が、
悪魔メフィストと繰り広げる、悪との戦いを主に描いてるわけだが、
初期の悪魔くんはただ己の王国建設のために思念を置く、
エゴイスティックで人を自分の思惑通り動かす狂気の天才であり、
世界を滅ぼす危険性も孕んでいるという、まさに悪魔というべき存在だ
貸本版では、メフィストという頼れる存在は息をひそめ、ただただ
超人離れした悪魔くんの活躍によって話が進んでゆく(挙句この少年魔法まで使う!)
彼には使徒という仲間がいるが、初期で姿を見せたものはたったの二人、
それも、一人はそのふりをしているだけの、なんともさみしいパーティなのだ
しかし、それでも彼は戦い続ける、世界征服を目ろむ悪魔の手先や、
この世にとってはまったく不可視の神という存在と
このマンガの思想の奥に潜んでいるのは紛れも無いキリスト教の思想で、
12使徒、救世主、といった概念もさることながら、
千年王国という本来ならば再来したメシアによって
もたらされるべきものを、作り上げようとしているものは
ほかならぬたった一人の狂気に満ちた少年である
しかし、救世主たるべきものはいかにして救世主たるべきなのであろうか、
完全として存在するものを救世主というのであれば、
合一視されるべき神とは一体なんなのだろう
その昔、神をそそのかしてヨブに不条理という名の悪夢を見せたのは、
他ならない悪魔である(*1)
だが、その悪魔も神の二律背反的な側面として見れば、また神と合一視するべきだろう
仮に、悪や正義などといった二元論的考え方で、神は存在するのではないとしたら
一切の不合理と共にあるのが神であり、悪魔といえるのかもしれない
悪魔くんが目指すものは自己満足であり、不合理であり、万人の為の都を建設するために
万人を殺す権限を持つ者だ
貸本版で、その終焉は呆気なく下される、
神童は神でも悪魔でもなく「不人気」というレッテルに負けたのだ
そもそも、年を重ねてもハッピーエンドが訪れない物語なのだが、
貸本版のは特にひどい終わり方である、
それでもその野望は滅びない
もしかしたら、千年王国は救世主と共にあるものではなく、
それを信じるもの達と共にあるのかもしれない
*1
ここいらへんの話は、C・G・ユングの「ヨブへの答え」等を
参考にしてもらえるといいかも知れません、
私の意味不明な私的解釈より分かりやすく
(といっても一読しただけでは難解ですが)書かれています
追記
初期のダークな悪魔くんが読みたいなら、最近復刻されたものの方が手っ取り早いです
3冊まとめて載ってるし安いので買ってもいいと思いますし、
ただ、アニメ版等しか知らない人はかなり失望されるとおもうので、そこいらへんは注意
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ファンヒーターのラヴソング:『三洋石油ファンヒーター回収CM』
http://alcatraz.exblog.jp/5039798/
2007-04-02T20:25:00+09:00
2010-09-13T14:12:25+09:00
2007-04-02T20:15:43+09:00
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Corner of hotpaper!!
最近やたらとファンヒーターの回収CMを目にする、
揃いも揃って葬式のようなナレーションで、
我々に切々とファンヒーターの点検と回収を呼びかけるその声は、
聞いていて楽しいものでは無い、
だからといってやけに陽気な声で回収を迫られても困るのだけど、
「取り付けボルトが3㎜ズレてたみたいでさぁ、回収しないとお陀仏ですよ!このファンヒーターで腹切らされた社員みたいにね、ヒャッハー!!」みたいな・・・
ところで、私がこのファンヒーターの回収CMを見ていて思い出すことは他ならない、
『三洋石油ファンヒータ回収CM』のことである
ご存じない方のために少々説明を付け加えておくが、これはただのCMではない、
"幻"のCMである
あまつさえ賞金までかけられた(*1)このCMが何故幻か、
それは諸説あるが一説には「超怖ええ」からという理由である
暗いトーンのアナウンスで淡々と死亡事故の危険性を訴え、
バックには消え入りそうな女のアカペラが入ると噂される、
文字に起こしただけでも寝込みそうなCMである、が、問題はそれだけにとどまらない
それに追い討ちをかけるようにして、
このCMで心にトラウマを負った人たちがあまりに大勢いたことが挙げられるだろう
なにを隠そうこのCM、TBS系の長寿番組「兼高かおる世界の旅」で放送されていたものなのだ
高視聴率の上31年も続いたこの番組が、思わぬ弊害を罪のない人々にもたらすことになろうとは、兼高かおるも予期し得ない事態であっただろう
でもちょっと待って!さっき"幻"のCMって言ってたのに、これじゃ全然メジャーなCMじゃないか!!
・・・そう、そこが歴代の"レアCM"とこいつを分ける決定的な境界なのである、
このCMが放映されて10数年の年月が流れ、
人々はネットワークの発展によって、情報溢れる大海原の恩恵を受けるネチズン(*2)となっていた、
ちょうどこの頃というのは、あれだけ騒いだアンゴルモアの大王のことなんてすっかり忘れて、
誰もが21世紀の幕開けを感じながら、発展してきた大型掲示板群でおもしれぇ情報はねぇかなぁ等とぼやいていた、
そんな中、誰かがこの不吉なCMの事を思い出し、不意にこのCMの情報は無いかと掲示板で呼びかけ始める(*3)、
最初は、「あんだけメジャーな番組のCMだもの、誰かが近いうちにアップロードするだろ」と誰もが高を括っていたこのCMだったが、
一向にその"誰か"は現れない、
そのうち少し焦りが見え出したCM捜索は誰かが再現Flashを製作するも、
その肝心の本物が見つからず、
しまいには"自称"このCMをもってる人などが議論を混ぜこぜにし、
いつのまにか、ただのトラウマCMは謎のベールに包まれた幻のCMに昇華されていったのである
当時は無論、
"youtube"のような個人が気軽に動画をアップロード出来る環境なんて皆無で、
このようなCMは"神"とよばれるアップロード主が自らビデオよりエンコーディングし、
編集したCMをアップローダーにあげるという非常に煩雑なもので、現在では考えられないくらい面倒くさいものであったから、
この事がより動画の発見が遅れる原因を作っていたと思われる
そんなドタバタから4年ほど経ったある日、画箱にある一つのスレッドが立つ、
「三洋石油ファンヒーター回収CM」と名づけられたそのスレッド(*4)には、かつて誰もが追い求めた、あの"幻"のCMがあった
こうして日の目をみたCMは今やどこでも視聴可能となったのだ、
それこそ動画アップロードサイトで探索すれば誰でも見ることが出来るだろう(*5)
だが、このことで私たちが忘れてはいけないのは、時代の恩恵への感謝というよりも
たかが道端の石ころにも物語があるように、
CMという泡沫的なものにも原始的呪術が常に付きまとい、
あたかも木の根ように物語が侵食していくという過程であろう、
それはあたかも、現代における"ニューアニミズム"と言うべき思想のあり方のようである
*1
本当の話、確か2000円ぐらいだった気がする
*2
インターネット(internet)と市民(citizen)をかけた造語、現在では死語と化しているので、
使うと歳がばれる
*3
初期の段階では、2ch上の掲示板である懐かしテレビ板の「【金持ち】兼高かおる世界の旅【道楽】」
から火がつき、その後、2002年6月27日に「■■《恐怖》三洋石油ファンヒータ回収CM■■」として
独立したスレッドが立ち上げられている
*4
url失念、申し訳ない
*5
ただし、2chではまだ捜索を継続中、というのも画箱にアップロードされたものは
最後の方に途切れがあり、まだ"完全"な状態でCMは見つかってはいないというのが理由の一つである
もう一つは、このCMはアップロードされたものの他にも尺が違うバージョン違いがあるということで、
つくづくコレクターというのが修羅の道であるかを思い知らされる、頭が下がります
参考URL
・2chスレッド「■■《恐怖》三洋石油ファンヒータ回収CM■■」
・サンヨー石油ファンヒーター回収CM再現Flash
・三洋電気ファンヒーター回収事件CMについて。
・「三洋石油ファンヒーター回収CM」
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痴呆系
http://alcatraz.exblog.jp/4677341/
2007-02-23T21:45:50+09:00
2007-02-23T21:45:50+09:00
2007-02-23T21:45:50+09:00
unit-731
現代病
内容評価 ☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆☆
概要
データハウスの内部暴露モノにおいて、ここまでRockなものを見たことが無い
中身は痴呆老人(まぁ、現在でいうと認知症の患者さんだが、
ここでは痴呆老人とさせていただく)
が収容されている専用老人ホームで、そういう方達の看護をしていた筆者達の
実体験に基づいた描写で書かれている本である、
普段、我々が痴呆老人に抱きがちなイメージと言うのは、
主に物忘れが激しいだの、ぐったりしてあまり動かないだのとネガティヴなものばかり、
しかし、それは我々の思い込みに過ぎないと言うことを、この本はありありと教えてくれる
体は確かに衰え、脳細胞が殆ど死滅しようとも、人間、やはり欲からは逃れられないのだ
例えば、身の丈190cmという痴呆爺さんが老人ホーム内で巻き起こす夜這い事件や
王様ゲーム方式で相手を決める乱交パーティを多分昭和初期あたりにやっていた婆さんなど
ロックでパンクな話ばかり、なかには"ウンコ"や"おまんこ"、"うへへへぇ"等の意味不明な叫びがページに踊り
我々の老人像を粉々にしてくれる、以前、ロックの異端児が
"Rock is dead"と歌っていたが、
この現状を聞いたら、まだまだ勇気が湧いてくるはずである
なお、この本はそれぞれ違うテーマを五章に渡って書いており
第1章は看護の日誌、2章は老人の性などと名前が付けられている
その中でも3章である痴呆老人達の言葉は、
どっかの墨でなすり付けた様な言葉達ではなく
解体された言葉達が秩序を半ば崩しながらも、堂々と生きており、
壊れた自動筆記オートマタが紡ぎだす文章にも似て、
なぜだか深い味わいを感じさせるものばかりである、
今、福祉が抱える問題が表面化してくる一方で、福祉に携わろうとする人たちも
増加傾向にある、だが、どいつもこいつも光の部分しか見ようとしていないように思える
この本は、福祉というものにとって不謹慎な表現が多々存在している
だが、前書きにもあるようにそれを(積極的に)笑いの種にしようとはしているのではない
本当に痴呆老人達を愛していなければ、彼らと触れ合い、
それをこうして本にしよう等と誰が思うだろう、
愛しているからこそ全てを知ってほしいのだ、
痴呆老人の光も、そして影(と言う名のマヌケ)も
だからもし、福祉や老人と言うものの光だけを見ていたいと言う人には
この本を買うことはおろか、
読むことすら私は絶対反対である、
しかし、それで幸せに生きれるなら、さぞかしその人たちは幸せな人たちであると私は思う
なお、文章も軽く、編集も老人の顔がページのすみにコラージュしてあったりと
手早く読めておもしろいので、ギャグが分かって、素直に楽しめる人は是非どうぞ
追記
筆者の一人である直崎さんは「幻の名盤開放同盟」の特派員で、
この本にも「幻の名盤開放同盟」の皆さんあてに謝辞を書いている
ちなみにこれの前段階の原稿と呼ぶべきものが、宝島社
「トンデモ悪趣味の本」にのっているので、興味を持った方は
そちらも参考にしてください
DATA
著者
早田工二
直崎人士
出版社:データハウス: ISBN:978-4887184206 : (1997/03)
[Amazonリンク]
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週刊マーダー・ケースブック
http://alcatraz.exblog.jp/4374292/
2007-01-18T20:43:00+09:00
2007-01-18T20:49:29+09:00
2007-01-18T20:43:04+09:00
unit-731
悪趣味
内容評価 ☆☆☆
価値評価 ☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆☆
概要
95年に、省心書房から発行されていたディアゴスティーニ提携雑誌、
責任監修はコリン・ウイルソンという、アウトサイダーを研究している、
ぱっと見、橋田壽賀子に見えないことも無い小説家が行っている
しかし、人を外見であなどる無かれ、
実はこの人、殺人研究の分野で『殺人百科』を書いているだけあって
この雑誌では犯罪者を犯罪心理から経緯にいたるまで分析し、
写真たっぷりで、どうだどうだと言わんばかりに読者を楽しませてくれる
ちなみに、出版がディアゴスティーニということもあり、創刊号は
抱き合わせ・・・ごほごほ、合併号で500円とリーズナブルになっている
しかも創刊号はあのチャールズマンソン(!)その上
2号は佐川一政(!!)食中りがおきそうなほど、すげえ組み合わせである
佐川さんの方は監修者と前述した『殺人百科』内でも対談しているので、
よっぽど印象に残ったのだろう、因果は国境を越えるんだねぇ・・・
内容は冊子の薄さに反比例して、結構読ませる濃さになっている、
事件をなぞりつつも、様々なファクターを提示しながら
書いていく凄みは、ちょっとした推理小説のようであり、
写真も多く使われているのにも好感が持てる(ただしグロはあんま無い)
ただ、これを全部読みたいと思うのはアウトサイダー寄りの読書家ぐらいなもんで
おまけに、インターネットが普及した今日では、
ある事件の経過を読みたければ、探せばそこらじゅうに落ちてる情報なので
今、これを熟読する意味を問われても答えられないぐらいの存在価値になっている
まぁ、これ全部で90巻ぐらい出ているようなので、
コレクションにはちょうどいいかもね
DATA
省心書房:(1995/06~1997)
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エロコト
http://alcatraz.exblog.jp/3567943/
2006-10-16T18:36:47+09:00
2006-10-16T18:36:47+09:00
2006-10-16T18:36:47+09:00
unit-731
サブカルチャー
内容評価 ☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆
分かりやすさ ☆☆
概要
坂本龍一さんが編集を手がける『エコ+エロ』のカオス雑誌
エスプリに富んだ内容のエロが散らばるという、
摩訶不思議な味わいの雑誌に仕上がっている
アートビジュアル面もなかなかで、
掲載されている耽美な写真はエロと一言にはいえぬ気品に満ちていて、
そこにみうらじゅんさんがエコに関する文章をよせていたりするからあなどれない
じゃあ、この雑誌はありなのか
私の意見をここで言いたい、それはどうだろう
確かにエコ主張がなされた流れの記事があることにはあるけれど、
裸のお姉さんが微笑むグラビアにペタペタと申し訳程度に書かれた環境に関する文章を、
エロ目当てで買った奴ははたして読むのだろうか、否、多分読まない
あと環境を本当に考えてる奴がエコロジー記事目当てのみで
この雑誌を買うことは無いんだろうね、記事はパッと見エロ本だしさ
しかしまぁ、この手の不思議雑誌というのは買ってから後悔することが多いんですが、
今回は坂本龍一パワーでなかなか楽しめました
執筆者達もなかなかのもので、いまやすっかり一般人にもおなじみになった感のある
リリーフランキーさんが雑誌上で対談やグラビア撮影してたり、
しりあがり寿さんや根本敬さんがマンガ書いてたりと、
なんだか視点的に正しいのかだめなのかわからない凄さがあります
次号出るのだとしたら、もうちょっとはっちゃけたほうがいいかもしれませんが
一部のサブカル好きな人は買いだと思いますけど、
コンビニなどで立ち読みして三日ぐらい考えてから買うことをおすすめしてきます
確かに、エコを感じる記事やグラビア等ありますが、
内容的にはほとんどコンビニ配本のエロ本的な記事で構成されている関係上、
結果エロ本を買うことと同意義ぐらいの勇気が必要になりますので
(ブリンクも流石にエロ本買うための勇気はくれないだろ)
もう3年ぐらいすると坂本龍一さんの記憶からもスッパリ忘れ去られるであろうこの雑誌ですが、
誰もやったことのない面白いスタンスから雑誌を作るという気持ちは
次の不思議系雑誌にリサイクルされてほしいもんですな
DATA
木楽舎:ASIN: B000IFSNC4:(2006/9/26)
[Amazonリンク]
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漫画千夜一夜物語 二夜目
http://alcatraz.exblog.jp/3472846/
2006-10-03T21:34:28+09:00
2006-10-03T21:34:28+09:00
2006-10-03T21:34:28+09:00
unit-731
企画
藤子・F・不二雄「異色短編集1」ミノタウロスの皿
異色というだけあって内容はドラえも・・・なんたらよりかなりディープ
読んでておもしろいのが、藤子ファミリー(2人しかいねえけど)の内でも
描かれる異色短編にきっちりそれぞれの色を出していることで
Aの方が現実世界で人の狂気や偏執によって巻き起こる惨事を描く一方、
Fの方は現実世界(もしくは未来)で超常的事態によって巻き起こる惨事を描くという
きちんと住む庭が区分けされている関係にあることだろう
事実、表題作である「ミノタウロスの皿」(*1)では
宇宙探査が可能となった未来を描いており、
宇宙船の記述や主人公のセリフからも
『この時代に生きる人類』はかなりの技術力を要していることが読み取れる
ただ、作品群一貫していえることは、話の主流として『未来の暗示』や
『SFという手法を用いて作られた世界での恐怖』を読ませているのではない、
先ほどの「ミノタウロスの皿」のラストシーン、
主人公がビフテキほおばりながら流す涙こそ物語最大の答え、
つまりは未来の恐怖ではなく現代の悪夢、
我々が内包している狂気であるともいえるのだ
この世は我々から見れば規律に則った疑うことの無い世界と言えよう、
しかしこの認識は我々の生活に対して答えを出しているわけではない、
ただ単にこの世界しか認識できないからそうと思っているだけで
すぐそこに非常識、もしくは超認識というべき未知の世界への扉が
口をあけて待っているかもしれない
その世界へ行ったあなたに元の世界を紛れも無き『世界』と認識できるだろうか
もしや本当の悪夢というのは我々の暮らす、まさに『この世』であるのかもしれない
藤子・F・不二雄の描く悪夢は我々の心が見ている幻影なのであろうか?
それとも我々が生きている現実なのであろうか?
*1(ネタバレあり注意)
宇宙探査が可能になった未来で、宇宙探査船が故障した乗組員が
惑星に不時着するところから、この話は始まる
空気があり、生活様式も地球の(特に古代オリエント文明)に酷似しているその星で
ただ一つだけ違うもの、それはこの星の支配者が進化した牛であり、
家畜とされているのが人間ということ、
やがて救助を待つ主人公は家畜として飼われている美しい女、ミノアに恋をするが
ミノアは「ミノタウロスの皿」という家畜(この星での人間)を料理して食べる、
名誉ある祭りの生贄に選ばれていた、主人公の思いもむなしく、
愛しのミノアは会場に到着し、祭りは実行されてしまう
最後のシーンは、救助された主人公は宇宙船でミノアのことを思い出し、涙を流しながら
宇宙探査での念願であったビフテキをほおばるという
なんともシニカルな終わりとなっている
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漫画千夜一夜物語 一夜目
http://alcatraz.exblog.jp/3449868/
2006-09-30T22:14:00+09:00
2006-09-30T22:09:04+09:00
2006-09-30T22:08:18+09:00
unit-731
企画
墓場鬼太郎 (1)
あれ?鬼太郎って「ゲゲゲの」じゃないのというあなた
そんなあなたは真人間です、どうぞ存分に太陽を浴びて生きていってください!
それはさておき、このタイトル実をいえば鬼太郎が始まった当初のころのタイトルなのである
まだ水木先生が恐怖劇画家と呼ばれ、
「オモチロイ!」なんてお茶らけるずっと前のなので、
タイトルも大人向けのビターなものとなっているのだろう
そんな初期鬼太郎だが、
始まりはなんとも陰々滅々たる一冊の貸本漫画(*1)から始まった、
その名も「妖奇伝」、これがまた見ただけでおどろおどろしい幽霊の表紙なので、
「この本を盗んだ奴は変死です!」と本が視覚に訴えてる気がしてならないのだが
そんなこの本に収録された「幽霊一家」という長編が鬼太郎の初出というべき作品なのである
もちろんタッチは恐怖劇画、いたるところがベタで塗りつくされ、もう人なんだか影なんだか分からない
それに加え、話は死ぬほど暗い、
これを読んだ後に「その後のゲゲゲの鬼太郎」なんぞをよんだ日には
これ、ただの水木先生の妄想だろ、と思えるほどに暗く、
まさに「地獄」という言葉がピッタリな出来である
しかし、近年までこの初期鬼太郎を読むのはすこぶる難しいことであった、
なんせ貸本というというシステムをとっていたため、あまり市場に出回ることが無い上に
古くなって捨てられるというケースが非常に多かったからだ、
こんな経緯があるため、初期鬼太郎シリーズを読むには万単位の金が要った時期もある
よって少年時代の私はいつも本で
この貸本の写真と一コマ二コマ貸本から引用された漫画を見ては切ないため息をついていた
だが、つい最近になって新刊文庫のコーナーをあても無くぶらぶらしていたとき
角川のコーナーに何の前触れも無く、
この貸本時代の鬼太郎が無雑作にポンと置かれていたのだ
どうせ巻頭だけカラーで後は白黒のいまいちな出来だろ、と高をくくって読んでみたら、
これがまたきっちりとした復刻印刷で貸本の色合いが良く出ている上に、
巻頭だけじゃなく貸本でカラー刷りだった部分まで完全再現という
まさにオバケ復刊なのであった
今の時代に1000円切って新品の初期鬼太郎にありつける私のようなフリークは幸せである
また、もし興味を持った方はぜひ店頭で手にとって、
鬼太郎のダークな一面に触れてみるのもオモチロイかもしれない
(*1)読んで字のごとく、読みたい本をお金払って借りられるというシステム
有料の図書館と思っていただけると分かりがいいだろうが、
中には貸し本屋にしか配給されない本というのがあり
多くの貸本漫画はその部類に入るといえるだろう、
えてして貸本漫画は作者の身の振りようで絶望的なストーリーなどになることが
往々にしてよくあり、拷問のシーンなどがでてくると見ているこっちが死にたくなる出来になっていることがままあったりする
今はこのようなシステムは廃れており、営業している貸し本屋は皆無であるといえよう]]>
よりぬきスネークマンショー 「これ、なんですか?」
http://alcatraz.exblog.jp/3388015/
2006-09-22T18:10:00+09:00
2006-09-22T18:12:07+09:00
2006-09-22T18:10:58+09:00
unit-731
サブカルチャー
内容評価 ☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆
概要
スネークマンショー、初めて聞いた人には見世物の名前としか思えないが
じつはこれ音楽関係者をして伝説のラジオ番組と言わしめた、
一世風靡のラジオショータイトルなのである
私も数年前にラジオアルバムを購入し、初めてスネークマンショーなるものに触れたのだが
間に挟まるキャッチーで、でもどこかダークなコントや、センスの良い曲選など
今にない先鋭さを持つ素晴らしい構成であった
知らないなあ、と首を捻っているあなたでも、
もしかしてスネークマンショーの内容はどこかで聞いているかもしれない
一昔前のネットワーカーならFLASHで某大門と某ピーポ君が
ドアの奥にいるおかしな男と寸隙を繰り広げるフラッシュとして見たことがあるだろうし
YMOのアルバム「増殖∞」を聞いた人ならなんとなく「あっ、あれか」理解できるだろう
この本はそんなスネークマンショービギナーからリアルタイムのリスナーまでを
対象として、スネークマンショーの歴史や世界にどっぷりと漬けてくれる
最高の一冊であると言えよう
内容としては、スネークマンショーの誕生から打ち切り、そして近年における
ラジオアルバム復活などをその当時、ラジオに関わったものしか知りえない、
ショーの裏話を交えながら紹介していく本流から、
その当時放送していたコントを紙面上で再現しようとした試みでもある
スネークマンショーラジオコント再現ページ、
おまけにしちゃ結構豪勢な、番組内でオンエアされた楽曲の(ほぼ)すべてを
記載したリストなど
分流もかなりイかした出来となっている
特にコントのページは本流でそのコントが出来た辺りの記載あとに
ぱっと何の脈略もなしに現れて、読者の頭を良い感じにほぐしてくれる
良いスパイスになっており、
なんだか作りもラジオのスネークマンショーに似ているのだった
前作のカセット付スネークマンショー本と比べてなんの音源も付いてこないのが悔やまれるが
その分情報量は計り知れない、スネークマンショーに興味を持った方は
ぜひこの本とラジオアルバムを平行してお楽しみいただくことをお勧めしておく
DATA
監修
桑原茂一2
新潮社:ASIN:410465101X:(2003/12/17)
[Amazonリンク]
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封印された『電車男』
http://alcatraz.exblog.jp/2971132/
2006-08-02T20:52:21+09:00
2006-08-02T20:52:21+09:00
2006-08-02T20:52:21+09:00
unit-731
サブカルチャー
内容評価 ☆☆☆
価値評価 ☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆
概要
一昨年、去年と引き続いた純愛ブームにも、やっと陰りが見え始めた今日この頃
いかがお過ごしでしょうか?
もはや、誰も世界の中心で愛を叫んだり、
死人が蘇ったりしなくなり、なによりな事である
(そもそも「ゾンビ」と「黄泉がえり」、死者が蘇るというコンセプトは一緒なのに、なんでこうも違うのだろう)
そんな中、やはりネット内外で評判が二分した「電車男」という本は、今回の紹介本にも、この度の更新にも、かなり印象深いものであったと思う
昔、パソコン世界の文章を現実世界に持ち込んだりすることは、最大のタブーであったはずなのに
それを堂々とやったばかりか、あまつさえそれがブームになってしまったことは、
当時多くのネットユーザーを震撼させた出来事だったのだ
余談はこれくらいにして本の紹介をしよう
この本はどちらかといえばネット側、特にそのユーザー側に近い位置から書かれていて、
本編では収録されていない、主に負の部分から分析された文章は
「電車男」をただの純愛ストーリーから、真実へと導く重要な鍵を握っている
だれもかれもが一人の主人公を応援したわけではないのを前提として、
オタクから一人の男になるはずのピュアな王子様は
狡猾であり、またずる賢い一人の男であるし、
また、包容力のある年上女性として描かれるヒロインは
結婚適齢期ギリギリの少々ごぶさた感が否めない一人の女である
所詮、「電車男」という本はフィクションとしてしか成立できない本なのだ
罵倒やセックス(に近い)シーンを削ってしまったが故に売れた、「電車男」の化けの皮を、
本という刀で剥いでみるのはいかがだろうか?
著者はあの「封印作品の謎」シリーズを書いてらっしゃる安藤健二さん
さすがといっては妙な感じだが、突っ込みどころをわきまえた文を書いている
あれだけ膨大なlogをもう一度見直すところから始めているところも、あっぱれとしかいいようが無い
ただ、本的には結構ページが少なく、薄い、そのくせ800円もするという、言葉は悪いが少々ボッタな価格設定である、
加えて、当然この本にも参照としてlogが使われているのだが、参照として存在するものをいささか使いすぎの感が否めない、
誰もそれでページを埋めてるなんて口が裂けても言わないが、ブルータスお前もかよ・・・とだけこの場では言っておこう
とりあえず最初は立ち読みで、と思う一冊
DATA
著者
安藤健二
太田出版:ASIN:4872339339:(2005/2/26)
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ウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまで
http://alcatraz.exblog.jp/2942936/
2006-07-30T19:24:00+09:00
2006-07-30T19:29:34+09:00
2006-07-30T19:24:39+09:00
unit-731
サブカルチャー
内容評価 ☆☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆☆
分かりやすさ ☆☆
概要
周辺文化研究家こと、ばるぼらさんの新作
これまで各所で発表されてきた膨大な量のFlashやGIFアニメを
オールカラーの美麗な作品のキャプチャ画像と共にレビューしている
これだけでもかなり惹かれるのだが、
本文中に収録されたFlash作家さん達へのインタビューも興味深いものがあり
(個人的にはぴろぴとさんのをお勧めしておく)、Webアニメを作ることは仕事か、
それとも趣味か、という質問項目は、作家それぞれにおいて現実や夢の境目を露骨に浮き彫りにしており、おもしろい
ここで駄目押しの一撃を加えるなら、
かーずSP管理人、かーずさんと「サルまん」でもおなじみの竹熊さんが、
それぞれ別々にばるぼらさんと対談しているコラムを推しておく、
かーずさんのFlash板誕生秘話や、おたくカミングアウト発言、
あの話題作品は最初どのような取り上げられ方だったのか等など、
Flash作品の歴史を知る上で重要な、当時の裏話を語っている姿は読者としても興味を尽きずに読める重要なスパイスだ
変わって竹熊さんとの対談では、過去のWebアニメのあり方や将来の展望を
それぞれのお勧め作品を持ち寄って、それぞれに評価をしながら語ってゆく、
Webアニメの歴史において極めて重要になるであろう対談となっている
この本は今現在、美術系のことに携わっている人達だけでなく、
もっと多くの、何かを表現したい若者たちにも是非読んでもらいたい一冊
作品が収録されたCDもついて、これで2200円は安いですぜ!
・・・とここで終わればただの宣伝、一銭も俺に金が入ってないのに
メリットだけ書き出すなんて、銭ゲバであるオリがよぉ、オリがゆるさねぇんだよぉ!
確かにこの本はこれまで発表されたFlashやGIFアニメデータベースの金字塔的作品だが
なぜか紹介の最後になって海外の作品もちらほら紹介されている、
紹介したい海外作品も多数あるのは理解できるが、ハッキリ言って蛇足以外の何者でもない
日本のFlash作品に海外作品が影響を受けたケースもあるのは承知の通りだが
それならコラム外参照あたりの扱いでいいし、
なにより謎なのがなんでfat-pie.com等の精神的に不快感を催すような作品まで紹介しているのだろうか?
類稀なるセンスは分かるが、これは知る人が知っていればいい事で、
一般の本でレビューをやることに何のプラス面もない。
hattenやwasabiぐらいならまだ分かるんだけどね・・・
このレビュー中に出てきたFlashはあえてここでは詳しく説明しないので
詳細は本書で確かめてください(結局媚びることにしました、すみません)
DATA
著者
ばるぼら
翔泳社:ASIN:4798110515:(2006/7/27)
[Amazonリンク]
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悶絶!!怪ブックフェア
http://alcatraz.exblog.jp/2935047/
2006-07-29T20:36:28+09:00
2006-07-29T20:36:28+09:00
2006-07-29T20:36:28+09:00
unit-731
悪趣味
内容評価 ☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆
分かりやすさ ☆☆☆☆
概要
意外だが1998年のムック、編集的に良くない新しさがあるね!
とはいえ、なかなかおもしろい記事もきちんと書いていて
人を食べた佐川さんが書いた記事を前触れ無くのせてたり、
「危ない1号」3巻では編集長もつとめた吉永嘉明さんも薬に関する記事を書いたりしている
その中でも特筆すべきなのは、
データハウス社長の鵜野義嗣さんのインタビューだろう
データハウス立ち上げの際の事情や、立ち上げ後のよもやま話など
ちょっと見、チャランポランな感じに見えても具はいたってしっかりしている
ただ、ターゲットの絞り方がアレな感じで、
ドラックや悪趣味本の特集ムックならまだありな感じがするが、
なんでイかれた健康本の紹介や、
トンデモ超常現象本なんかまで紹介してんのかがわからない
「ドラックも好きで悪趣味にもちょっと興味あるし、あとUFOとか・・・あ、健康にも興味あります!」
なんてやつがいたら、そいつ自体がちょっとした悶絶もんだよ!
とにかく、読者想定がロンパリな本ではあるが、記事はなかなかおもしろいので古本屋にあったら立ち読みしてみてください
え、この本の内容は主にヘンな本紹介?ああ、別にいいよそんなおもしろくねえし!
おまけ、おまけ!
DATA
双葉社:ISBN:4-575-46339-6:(1998/6/20)
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実録 戦後殺人事件帳
http://alcatraz.exblog.jp/2873027/
2006-07-22T21:43:00+09:00
2006-07-26T21:56:31+09:00
2006-07-22T21:43:40+09:00
unit-731
悪趣味
内容評価 ☆☆☆☆
価値評価 ☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆
概要
読後の感想としては、正直「長い」が挙げられる
活字は細かいし、戦後から始まる事件年表はとにかく長い
四書五経でもあるまいに、もう少し要約しろよといいたくなる
かく言う私も読むのに25年の月日を費やしたぐらいで、
かなり老け込んでしまった
そんなアメリカンジョークはいいとして、
この本、内容的には面白いところがたくさんある
警察から流出した捜査資料を基に、
事件はどうやって解決していくのかを示したコラムや
法医学者とのインタビュー形式の対話など
読者の興味をそそる物が要所要所に光っている、
間に挿入される事件年表も、少々くどい点に目をつぶれば
アクセントとしては最適である
他にも記事としてはおもしろみのある、いい記事が多いのだが
最後の方に記載されている殺人者を五角形のグラフ評価で表した記事は
カードゲームみたいなのでやめてください、おもわず麦茶を噴出しましたよ、
ちなみにこの記事で最強、いや、最悪な殺人者は、
連合赤軍リンチ事件で知られる永田洋子や連続婦女暴行犯の大久保清などで、
こうなったら多分、麻原は神のカードなのでしょうな
とりあえずいろんな意味でお腹いっぱいな本、
殺人事件が本当に好きな人は買うべきだが、
火サス辺りが関の山な人は、やめときましょう
DATA
アスペクト:ASIN: 4757200439:(1998/03)
[Amazonリンク]
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毒物犯罪カタログ
http://alcatraz.exblog.jp/2764126/
2006-07-10T21:15:00+09:00
2006-07-10T21:18:17+09:00
2006-07-10T21:15:36+09:00
unit-731
暗黒科学
内容評価 ☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆
概要
データハウス好みな特集の一冊、
書名からも分かる通り、この本の中には様々な毒物の詳細と共に
それらが元で発生した事件の事例が載っていて、まさにカタログそのものな作りとなっている
また、本文には毒物の対処法やその毒に関する説明も付属しており
読者を本文にぐっと近づける役割をはたしている
大体メジャーな青酸系のところから広くはフクジュソウまで取り上げているので、
毒物初心者にとってはありがたいかぎり
また、欄外にその毒物に関しての資料や参考文献も記載され、
知的好奇心をくすぐる編集となっている点も評価すべきであろう
ただ残念な点は、
資料をそのままベタベタ貼り付けた感を拭い去れない点にある
やはり読んでいて肩こる部分はライターや編集者の力で何とかするべきだ
ともあれ
手元に一冊置いておき、
推理物に出てくる薬物なんかを調べて人生の貴重な時間を無駄にするのも良いと思う
一応注意しておくが、これはあくまで
犯罪カタログであり毒物作成マニュアルじゃないことを勘違いしないでおきたい、
結論、この本は計画を練るときに
(毒物を)どんな風に使えば効果的かを考察するときに活用しよう!(すんな)
DATA
著者
国民自衛研究会
データハウス:ISBN:4887183291:(1995/6/25)
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演劇フライヤーコレクション
http://alcatraz.exblog.jp/2726390/
2006-07-06T20:33:00+09:00
2006-07-06T20:32:07+09:00
2006-07-06T20:28:40+09:00
unit-731
サブカルチャー
内容評価 ☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆
概要
皆さんには読んでると、おなかがグルグルいう本はあるだろうか、ない?ああ、そう・・・
ここで終わってもなんなので、もう少し続けるなら
私にはそういう本がある、特に中身が色彩に富んでいるものは間違いなくソレで、例を挙げるならこの本である
この本は新旧問わず集められた演劇のフライヤーが集められている
フライヤーときくと真っ先に揚げ物を思い浮かべるだろうが(俺だけかな)、今回はそのフライヤーではなく、ポスター広告か何かだと思っていただけるといいだろう
本の殆どがカラーできっちり印刷されていて、見ているだけでも相当楽しい本であり
私は生活上でインスピレーションが湧かない時にこれを読んだりしているのだが、けっこう脳にも良い刺激になるように感じる
また、本の最後で一枚一枚のフライヤーについてほんの少し解説を入れたりしているから
フライヤーの良し悪しから劇を調べることも出来て、ちょっとお得だ
また資料性にも富んでいるので、絵の発想などを思いつくのにもちょうど良い
主として美術に関心がある人達(もしくは演劇)にお勧めの一冊、高いけどな
最後に、なんで私がこんなものを持ってるかと疑問に思う人もいるだろうが、
「人は誰しも、短絡的に充実と結びつく部活動生活を送ってきたわけじゃないんだよ!」という事だけを伝えて
この本の紹介に幕を引きたいと思う
DATA
ピエ・ブックス:ISBN: 4894444577:(2005/07/10)
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怪しいアジアの怪しいニュース
http://alcatraz.exblog.jp/2687261/
2006-07-02T20:48:05+09:00
2006-07-02T20:43:29+09:00
2006-07-02T20:43:29+09:00
unit-731
文化・風習
内容評価 ☆☆☆☆☆
価値評価 ☆☆☆
技術評価 ☆☆☆
分かりやすさ ☆☆☆☆☆
概要
私がはじめてクーロン黒沢さんを意識するきっかけとなった一冊、
この本を読む前、私はひどく困憊していた、
そこいら辺の事情は割愛するが、一言で言えばさみしかったのである
そんな時、この本を書店で見つけ、数ページをペラペラとめくったあと
私はレジめがけてこの本を抱えて走っていた、そして、数時間のうちに読みきったあと
体中からダークフォースが沸々と湧き出るのをその時確かに感じたのだ
そんな負の思い出が深い本書を今回取り上げてみよう
本書はお三方による共著で、それぞれ三人とも香ばしい皆さんで
そんな三人がタイのB級ニュースを事実と妄想を織り交ぜながら
語る、とてもさわやかな内容となっている
まずタイトル一つからもとてもいい味が出ていて、ちょっと引用するなら
「新聞やテレビがクソまみれに」、「殺人鬼の正体は9歳児」、「超有名僧侶のセックス疑惑」
と、こんな三本立てだったら俺、サザエさん見てもいいな、と思わせる切れ味である
またお三方共に文才がある方達で、読んでいてどこか疾走感のある文章はすばらしいの
一言に尽きる、その中で特筆すべき点なのはクーロン黒沢さんで
今の日本文学に確実に足りない澱んだなにかを文章の中にひめた、
まさに僕らの暗黒面!だてに任○堂から警告を食らっちゃいないぜ!
タイが好きな人も、またB級ニュースが好きな人も必読の一冊
また、悪趣味本の入門書としてもどうぞ
追記
なぜかポッチン下条さんが参加してないけど、どうしたんだろうね
DATA
著者
クーロン黒沢
梅本 善郎
リン外川
出版社: KKベストセラーズ: ISBN: 458430811X : (2005/01)
[Amazonリンク]
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